先日、家にあった遠藤周作さんの文庫本を読み返しました。本

「狐狸庵うちあけばなし」と、「ぐうたら好奇学」です。
どちらもエッセイ集で、書かれたのは1960年から1974年、文庫になったのは昭和56年と58年だそうです。
だから今とは何んとなく空気やにおいが違うという気がします。(漢字も、今とは違うけど…。汗
私の知らない戦後の雰囲気や、当時の作家の生活…。
でも、それは、古いというのとはまた別です。
世情が変わっても、忘れてはいけないことや変わらないことはありますよね。

私が遠藤周作さんの本を初めて読んだのは、それらの文庫本を買う前のことで「白い人」でも、「沈黙」でも、「海と毒薬」でもありません。
偶然図書館で見つけた「さらば、夏の光よ」という本でした。
夏の終わり=まぶしい季節の終わり=少しさみしげ…そんな感じが、なんとなく読んでみたい気持ちにさせました。そして、本の装丁も、なんとなくそれを感じさせるような風景でした。
残念ながら内容は覚えていないのですが、その本を見つけたときのことだけは、いまだも記憶に残っています。

その後、遠藤周作さんの文庫本を2冊買ったのですが、それは、彼の作品が気に入ったからではありませんでした。(気ににいらなかったわけでもないのですが…。)
その理由というのは、遠藤周作さんが、私がある時期好きで読んでいた作家さんの友人で、その作家さんのエッセイなどにも名前が出ていたから…。
だから、難しそうな代表作ではなく、あえてエッセイ集を選びました。
同じ理由で文庫本を買った作家さんに、安岡章太郎さんもいます。
そういえば、私がある時期読んでいた佐藤愛子さんも、遠藤周作さんとは友人でした。

遠藤周作さんといえば、某コーヒーのCMに出ていらしたのを、リアルタイムで見たことがある方もおられるのではないでしょうか?
最近、そのCMが流されていたのを見て、友人のお父さんが、遠藤周作さんに似ていたことなどを思い出し、懐かしい気持になったのでした。